どこが骨折するのでしょうか?
脚の付け根の関節を股関節と呼びますが、関節を形成している太もも側の大腿骨の先端は、球状(骨頭)でその下は首のように細く(頚部)、さらに太く出っ張った部分(転子部)につながります。
同じ股関節の骨折でも、頚部が骨折した場合を大腿骨頚部骨折、転子部が骨折した場合大腿骨転子部骨折と呼び方も治療方針も変わります。
原因はなんでしょうか?
ほとんどの場合、転倒や転落などの外傷によるものです。
大腿骨は股関節からすぐのところで曲がっていますが、曲がったところは転倒などによる外力が集中しやすく、体の中でも骨折しやすい部位の一つです。 またこの骨折は、骨粗鬆症で骨がもろくなった高齢者に多発することでも有名です。
どのような症状がでるのですか?
症状としては、痛みも強く、物理的に体を支えることが困難なため、立ち上がったり、歩行することができなくなります。
どのような治療方法がありますか?
大腿骨頚部骨折・転子部骨折は、全身状態が悪く手術ができない場合を除き、すみやかに痛みを取り除き早期の離床を目指すために、手術による治療がスタンダードになっています。
どのような手術をするのでしょうか?
手術治療では、離れた骨をもとの位置に戻したのち、ボルトやプレートなどのインプラントで固定します。手術方法は、骨折した部位や状態により選択します。
骨折したのが頚部の場合は、関節を作り直す人工股関節置換術や、骨盤側の関節は残す人工骨頭挿入術を行います。
転子部の場合は、頚部に比べると骨融合しやすいこともあり、骨折の状態によってプレート+スクリュー、または髄内釘+スクリューなどの固定方法が選択されることが多いです。
手術後の生活はどうなりますか?
手術法や状態にもよりますが、手術の翌日からリハビリを開始し、平行棒や歩行器を使用した歩行訓練を行います。状態にもよりますが、手術後約4週間ほどで退院となります。